マツダが30日発表した2021年4~6月期の連結決算は当期損益が113億円の黒字に転換した。前年同期は新型コロナウイルス感染拡大の影響から666億円の赤字だった。米国での新車販売が好調だったのに加え、在庫を削減するなどして効率化を図った。半導体の供給不足や原材料価格上昇など、先行き不透明なことから通期業績見通しは5月に公表した前回予想を据え置いた。

 期中の新車販売台数は北米が7割増、欧州がほぼ倍増し、グローバルでは前年同期比45%増の35万3千台と伸び、コロナ禍前の19年4~6月期の水準に回復した。半導体が不足する中、受注が好調な市場向けのモデルを優先的に生産した。

 売上高は前年同期比113・3%増と急増し、3期ぶりの増収となった。営業利益は261億円の黒字となった。原材料価格の上昇や固定費の増加などがあったものの、販売台数の増加やモデルミックスの改善、販売費用の抑制で952億円の増益効果があった。コロナ禍前の19年4~6月期の営業利益は70億円で、販売台数はほぼ横ばいながら、販売単価の改善や固定費削減などの効果で営業利益率が大幅に改善した。