ロードプライシングの本格導入で高速道の渋滞解消を目指す

 国土交通省は、混雑状況に応じた変動料金制度(ロードプライシング)など、高速道路の戦略的な料金体系導入に向けて本格検討に入った。大都市圏の高速道を中心に、渋滞が見込まれる時間帯や経路で値上げする。合わせて交通量が少ない状況では料金を引き下げる仕組みづくりを目指す。高速道路の利用が特定の時間帯や経路に集中しないよう、分散を促す制度を構築して慢性的な渋滞の解消につなげる。その一方、全国の高速道路は老朽化した設備の維持、更新に加え、車両の電動化や自動運転に対応した新しい道づくりに迫られている。こうした費用捻出のため、料金徴収期間を延長する考えだ。

 料金制度の見直しは、社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会の中間答申案に盛り込まれた。ロードプライシングは東京オリンピック・パラリンピックの期間中、首都高速道路で6~22時にマイカー等の通行料を1千円を上乗せし、0~4時は半額とする試みが行われている。中間投資案ではこの事例を参考に本格導入すべきとした。将来はデジタル技術を進化させ、交通需要に応じて一定時間ごとに変動させる機動的な料金導入を目指す。また、高速道の交通量の変化は一般道に影響が及ぶため、これを考慮した制度設計が必要とした。

 全国が対象の割引制度の見直しにも着手する。「深夜割引」は、適用時間帯に少しでも走行していれば通行料金の総額に割り引きが適用されるため、適用待ちの車両が高速道路上に滞留する問題が起きている。このため、実際に適用時間帯に走行した分のみを割り引く仕組みが必要とした。「休日割引」は繁忙期の適用を除外し、交通集中を回避させることを検討する。

 「平日朝夕割引」は、渋滞緩和の効果が限定的な区間があると指摘。新型コロナウイルス感染症の影響で勤務形態が多様化したため、この実態に見合った制度設計を探る考えだ。

 中間答申案では現行の償還制度の限界についても触れた。国は増大する補修費用に対応するため、2016年に償還期限を15年先延ばしし、65年に改めた。しかし、その後の詳細点検で明らかになった追加の更新事業について必要な財源が確保できていない。さらに、車両の自動運転や電動化の進展によって道路インフラの更新が求められるケースが想定される。安全かつ安心な高速道路に不可欠な環境を維持するため、事実上の料金徴収期間の延長に向けた検討を進めていくことを示唆した。