経営再建中のサンデンホールディングスは7日、事業再生計画が同日開催の債権者会議の再続会で同意が得られたと発表した。対象債権者の金融機関20社は債権残高の全額977億9千万円のうち630億円を債務免除する金融支援などを行う。事業再構築に向けては生産体制を抜本的に見直すほか、同社を傘下に収める中国家電大手の海信集団(ハイセンス)グループのハイセンス・ホーム・アプライアンス・グループとの共同購買などでのコスト削減を推進する。
事業再生計画では生産体制の抜本的見直しや基盤収益力の向上、積極的な「協創」による成長、キャッシュフロー創出施策の強化(運転資本改善)、実行のための仕組み改革に取り組む。
生産体制見直しでは成熟製品の内燃機関向け製品は生産拠点を集約する一方、成長製品と位置付ける電動車向け製品については強みを発揮できる最適生産体制を整える。基盤収益力の向上ではハイセンスグループとの共同購買によるコスト削減、協創による成長では電気自動車向け電動コンプレッサーと統合熱マネジメントの拡販と開発費削減に取り組む。
また、キャッシュフロー創出ではサプライチェーンマネジメント改革により見込み生産から補充生産に切り替え在庫削減を図り、実行のための仕組み改革では収益を重視した受注基準で案件を選別するほか、滞留債権や在庫、投資においてはコーポレートガバナンスに基づき実施状況をモニタリングするなどの体制を整える。
経営体制についてはハイセンス社が取締役4人を派遣するほか、新たに選任する社外取締役2人など7人で取締役会を構成する予定。
数値目標は2026年3月期に売上高を1705億円、営業利益を102億円、当期純利益を105億円に設定した。
サンデンは自動車向けエアコンプレッサー世界シェア2位の独立系サプライヤー。経営資源を集中的に投下していた自動車機器事業が新型コロナウイルス感染拡大などの影響もあって業績が低迷。昨年6月に私的整理の一種である事業再生ADRを申請していた。
今年3月1日にはハイセンス・ホーム・アプライアンス・グループとの間で、第三者割当増資により総額214億円の普通株式を発行する株式引受契約を締結していた。