トヨタ自動車と豊田自動織機は26日、外販用の燃料電池(FC)モジュールを開発したと発表した。昨年12月に発売した燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」のFCスタックに昇圧コンバーターや冷却用ポンプ、エア供給用コンプレッサーなどを組み込んだ。両社で幅広い定格出力のFCモジュールをそろえ、同業他社をはじめ、船舶や鉄道、産業機械、定置用発電など幅広い製造事業者に今春から順次発売する。
適合性を広げるため、トヨタは縦型と横型、定格出力60kW/80kWの合わせて4タイプを用意。豊田自動織機は8kW仕様を今回発表し、24kW、50kW仕様を開発していることも明らかにした。トヨタ製FCモジュールの重さは約250kgで、複数のモジュールをつないで搭載することもできる。ただ車載の場合、国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)の安全規定により、搭載は2個に限られる。価格や供給台数の見通しについては、顧客とこれから詰めることもあり、開示していない。トヨタはミライの発表時、FCスタックの生産能力を年3000基から同3万基に増やしたことを明らかにしている。
モジュール化により、FCスタック単独の供給と比べて周辺部品を個別に設計したり、接続したりする手間が省ける。トヨタが蓄積した技術を応用し、低温下や高地などでも使えるほか、安全性や信頼性も確保した。顧客から要望があれば技術サポートや運用面でのアドバイスも行う計画だ。