平井敏彦氏

 日本自動車殿堂(会長=藤本隆宏東京大学教授)は、2020年の殿堂者(殿堂入り)を発表した。マツダで初代「ロードスター」の開発責任者を務めた平井敏彦氏や日産自動車で「スカイラインGT-R(R32)」の開発主管を務めた伊藤修令氏、交通ジャーナリストの岡並木氏の3人が選ばれた。また、歴史遺産車には「トヨペット・ライトトラックSKB」、「ホンダ・RA272」、「スズキ・ジムニー(LJ10型)」の3台が、20~21年の日本自動車殿堂イヤー賞のカーオブザイヤーにはホンダの「フィット」が選出された。

 日本自動車殿堂は、自動車社会の構築と発展に貢献した人々や第一線で活躍している人々の業績を讃えて顕彰し、伝承していくことを目的にスタートした。

 今回の殿堂入りは、ロードスターの開発・投入でオープンスポーツカーの新たな市場創りと魅力を訴えた平井氏、GT-Rという日本を代表する高性能スポーツカーの礎を築いた伊藤氏、利用者ニーズに立脚した総合交通体系のあり方などを提言した並木氏が選ばれた。

 歴史遺産車には、乗用車なみの乗り心地と安定性を持つ実用本位の四輪トラックトヨペット・ライトトラックSKB(1954年)、日本初の純国産F1マシンとして開発されたホンダ・RA272(1965年)、悪路走破性の高い軽四輪駆動車として礎を築いたスズキ・ジムニー(1970年)が選出された。

 また、20~21年の日本自動車殿堂カーオブザイヤー賞はカーオブザイヤーのホンダのフィットのほか、インポートカーオブザイヤーを「プジョー208/e-208」、カーデザインオブザイヤーを「マツダCX-30」、カーテクノロジーオブザイヤーをホンダの「都市型RWD EVシステム:ホンダe」が受賞した。

 なお、今回の表彰式典は新型コロナウイルス感染防止を考慮して会場使用の式典は中止し、13日正午にオフィシャルサイト(http://www.jahfa.jp)で動画を配信する予定。