マイカー購入意欲が高まるきっかけは「クルマの便利さを感じた時」ー。パーク24が実施したアンケート調査によると、自動車の非保有者の半数以上がカーシェアリングやレンタカーを利用して便利さを感じた時に自動車が欲しくなると回答したことが分かった。またコロナ禍によってクルマの利用頻度が「増えた」とする回答が29%となるなど、混雑する公共交通機関を避ける傾向が一定数あることも明らかになった。パーソナルな移動空間を確保できる自動車が見直される中、「使用」と「所有」の双方で今後の市場活性化が期待される結果といえそうだ。

アンケートは「コロナ禍における車の利用状況」を調べる目的で、同社の駐車場やレンタカー、カーシェアリングを利用したタイムズクラブ会員を対象に実施した。9月1~7日にインターネットによって非公開で行い、回答数は自動車の所有者1756人、非所有者3295人の計5051人。

非所有者を対象にした調査では、カーシェアやレンタカーが所有意欲を高めることが証明された。52%がこの2つのサービスを利用して便利さを感じたときに欲しくなると答えており、車の購入を検討している人に限ると64%に上る。また購入予定がない人でも46%がカーシェアやレンタカーを利用した時に欲しいと思うと回答している。

実際、ここ数年で新車ディーラーなどでもカーシェアなどに取り組むケースが増えている。トヨタディーラーによる「トヨタシェア」のステーションが増えているほか、カーシェアサービスに扱い車種を提供し、試乗機会の創出を狙う外国自動車メーカーのインポーターも増えている。今後もこうした自動車販売会社がカーシェアやレンタカーを活用するケースはユーザーとの接点づくりとして増えていきそうだ。

また、今後は利用が落ち込んでいたカーシェアリングやレンタカーの利用活性化も期待される。昨年と比べて自動車の利用頻度が「増えた」と答えた割合は自動車保有者、非保有者ともに「減った」より多かった。理由は「新型コロナウイルス感染症への感染防止」が32%と最多だった。非保有者に限定してみてみると、50%が「増えた」と回答している。理由は「買い物で使用することが増えた」34%、「レジャーで利用する機会が増えた」33%、「新型コロナウイルス対策」29%とプライベートでの利用が目立つ。

コロナ禍で大打撃を受けた国内旅行の活性化に向けた「GoToトラベルキャンペーン」が10月から東京発着も対象になるなど、人の移動ニーズは増えている。さらに1日から利用開始になった「地域共通クーポン」で利用できるレンタカー会社も増えている。需要取り込みに向けてレンタカー各社の取り組みも活発化しそうだ。