光学迷彩技術により前方風景を映してダッシュボードを透明化

 車両前方が〝透明化〟するクルマ―。京セラは、コンセプトカー「Moeye(モアイ)」を開発したと発表した。「空間」に焦点を当てたコンセプトカーで、同社が開発した7種類の技術やデバイスを搭載した。東京大学先端科学技術センターの稲見昌彦教授と協働で開発した独自の光学迷彩技術などで、快適な移動空間を実現した。

 同車両は、完全自動運転車を想定する。光学迷彩技術では、車両に取り付けたカメラで前方風景を撮影し、映像データを処理してダッシュボードに映し出す。風景と一体化させることで車両前方を〝透明化〟した。また、オリジナルキャラクターがダッシュボード上に飛び出すなど、車内空間を楽しめる技術を散りばめた。車両デザインは、デザインスタジオのフォートマーレイ(石丸竜平社長、京都市西京区)が担当。車の歴史を表現したモダンなデザインとした。29日に開いた発表会で、京セラの稲垣正祥執行役員上席は「五感のうち、視覚・聴覚・触覚・嗅覚の4つを搭乗者に体験してもらえる」と強調した。