ニッサンパビリオンの外観
ザ・シアター「ナオミビーツ」。巨大スクリーンで臨場感あるテニスゲームをバーチャルで楽しめる
施設入り口周辺の様子。リーフが出迎え、敷地内にはEVが走れる専用道も設けられている
ザ・ライフの「コネクティッド・ファミリー」の上映風景。ストーリーに合わせて照明の色が変化する
ザ・シティは、車を起点にエネルギーや情報が行き交う社会を光の柱や車のオブジェで表現する
カフェのテーブルにも一工夫。料理が提供されるとカロリー情報などがアニメーションで伝えられる

 日産自動車は1日、期間限定で体験型エンターテインメント施設「ニッサンパビリオン」(横浜市西区)を開設した。自動運転や電動化など日産の技術を使って描く近未来の暮らしを、映像やアート、食事などのさまざまなコンテンツを通じて幅広い世代に伝える。10月23日までオープンしており、入場料は無料。新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて、自宅にいながらもニッサンパビリオンの世界を楽しめるようにオンラインコンテンツを充実させる。

 同施設は、横浜市との連携協定の一環として、横浜みなとみらい21地区内の約1万平方㍍の敷地に設置した。「人間の可能性を拡張する」をコンセプトに、2年前にプロジェクトがスタート。日産が先進技術の開発に取り組む目的や同社が描く社会ビジョンを来場者に伝える場とする。

 同施設のうち、屋内スペースでは「ザ・シアター」「ザ・ライフ」「ザ・シティ」の3つのゾーンに分けて日産の技術を体感できる。

 ザ・シアターは幅32㍍、高さ6㍍の4Kプロジェクション大型スクリーンとハプティクス技術(触覚提示技術)による振動する床を使ったコンテンツを提供する。「ナオミビーツ」(事前予約制)は、見えないものを可視化する日産の新技術「I2V(アイツーヴイ)」を駆使し、プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手とバーチャルテニスで対戦できる。映像上の大坂選手から放たれる時速200㌔㍍のサーブを、予測技術を使って打ち返しラリーを楽しめる。また、「フォーミュラEザ・ライド」では、巨大スクリーンを通して、100%電動のフォーミュラカーで世界の都市を駆け巡るアトラクションゲームが体験できる。

 ザ・ライフは、家族や恋人をテーマに運転支援技術「プロパイロット」をはじめとする先端テクノロジーが可能にする未来を描いた2本のショートムービーを上映する。「コネクティッド・ファミリー」は、アニメ「君の名は。」など新海誠監督作品を手がけたプロデューサーによる車がつなぐ家族の物語を約6分半上映する。ストーリー展開に合わせて室内の照明の色が変化し、より深く作品に引き込む工夫を施した。

 ザ・シティは、センシング技術や車を起点にエネルギー・情報が行き渡る様子を表現する空間。車のオブジェに触れると光の柱が反応し、直感で楽しめるようなコンテンツに仕上げた。

 施設にはカフェ「ニッサン・チャヤ・カフェ」が併設され、ドリンクや地元の食材を使ったサンドイッチなどのメニューを提供する。プロパイロットを応用した無人給仕ロボットが食事を運ぶ。テーブルはスマートフォン(スマホ)用ワイヤレス充電に対応するほか、皿のICチップに反応してテーブル上にアニメーションを映し出す。

 カフェの電力は太陽光パネルで発電した再生可能エネルギーと、電気自動車(EV)「リーフ」からの給電でまかなう。リーフで来場した人がカフェ横のスペースに車を停めてEVの電力をカフェに供給する仕組みを導入。給電する代わりに駐車料金無料の特典に加え、コーヒークーポンサービスを受けられる。敷地内には専用道が設けられ、広場や屋内でも排気ガスを出さないEVが走行できるようにした。新型クロスオーバーEV「アリア」の同乗体験(事前予約制)もでき、日産の最新技術を詰め込んだ商品を体験できる。施設内にはアリアやリーフ、「NISSAN GT-R」、「フォーミュラE」なども展示されている。

(長谷部 博史)