塗料を電気で微粒化し、静電塗装する(イメージ)

 トヨタ自動車は12日、塗料を無駄なく車体に塗ることができる新型の塗装機を開発したと発表した。トヨタグループに全面導入すると、二酸化炭素(CO2)排出量を7%ほど減らせるほか、塗装ラインもコンパクトにできるという。他企業への技術供与も検討していく。

 現在は空気の力で塗料を車体に吹き付けており、車体から跳ね返る空気によって塗料粒子が吹き飛ばされ、噴霧量の3~4割が無駄になっていた。新型の塗装機は空気を使わず、塗料に静電気を帯びさせて細かくし、車体に静電塗装する。これにより、無駄になる塗料が5%以下と世界最高レベルにまで下がる。円筒形をした塗料吹き出し口の先端に約600本の溝を掘り、回転させながら塗料を細かくしたり、車体との距離に応じて電圧を自動制御して塗装品質を保つなどの新技術で実用化した。

 塗装に使うエネルギーが減ることでCO2が削減できるほか、塗装ブースに備える塗料回収装置を小型化でき、塗装ラインもコンパクトになる。高岡工場と堤工場への導入をすでに終えた。今後はトヨタの他工場やグループ工場に導入するほか、グループ外への技術供与も検討していく考えだ。