自動車メーカーでは昨年12月、立て続けに再編の動きがあった。グループPSAとFCAが対等合併に合意し、いすゞ自動車とボルボは戦略的提携に合意した(グループPSAとFCA)
自動車メーカーでは昨年12月、立て続けに再編の動きがあった。グループPSAとFCAが対等合併に合意し、いすゞ自動車とボルボは戦略的提携に合意した(いすゞとボルボ)

 電動化や自動化、共有化といった変化の波が押し寄せる中、膨張する開発費の負担を軽減し効率良く投資を回収しようと自動車メーカーの合従連衡が加速している。右肩上がりだった新車市場は世界経済の停滞や米中貿易摩擦によって鈍化しており、厳しい競争環境が業界再編をさらに促しそうだ。

 昨年は欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と仏グループPSAの合併で世界4位の企業連合が誕生した。20年は5位以下の再編機運が高まりそうだ。特に独自色の強いホンダや韓国の現代自動車が「規模の論理」による陣営にどう関わってくるか注目される。

 商用車ではいすゞ自動車がスウェーデンのボルボと昨年12月に業務提携し、ボルボ傘下のUDトラックスがいすゞの子会社になることが決まった。長く4社4陣営で競ってきた国内の大型車は、3つの陣営に再編される。

 次世代技術対応に絡むアライアンスについて日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は「従来は規模の追求と資本の論理で誰かが誰かをコントロールする形だったが、そこは違うと感じている」と指摘する。次代の仲間づくりはクルマづくりへの〝思い〟も一致する必要がありそうだ。