老子の教えに、「足るを知る者は富む」「足るを知らざる者は辱(はずか)し」とあって、足るを知って足れりとする者は、即ち富み、かつ恥辱を受けないと訓している。京都の老舗にも、知足の哲学思想が重大な要素として受け継がれている。峰山町の矢谷家の「家訓」には、「足ることを知れば、家は貧しといえども心は福者なり。足ることを知らざれば、家は富めりといえども、心…