公正取引員会が独BMWの日本法人であるビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン)に対して、販売会社への無理な販売ノルマを課していた独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査に入ったことが明らかになった。BMWジャパンによる過大な販売ノルマを巡っては、販売会社の自社登録によって「新古車」が急増していたことが問題になっていた。

公取は9月11日、東京都千代田区のBMWジャパン本社に立ち入り検査に入った。同社は、ディーラー各社に過大な販売ノルマを課し、目標を達成できない場合、ペナルティーとして新車を引き取らせる優越的地位の乱用の疑いが持たれている。

販売会社は、顧客からの注文がなく、ペナルティーとして引き取った新車を「新古車」として値引き価格で販売するケースがほとんどと見られる。

BMWの2018年度の国内の新車販売台数は5万台、輸入車シェアが14%と、フォルクスワーゲン(VW)と並ぶ2位グループを形成している。2019年1~8月の輸入車市場全体が前年同期比2.9%減と落ち込み、ライバルであるメルセデス・ベンツやアウディの販売が低迷する中、BMWは同0.1%増と前年をキープしている。
BMWジャパンは、立ち入り検査があったことを認めて、調査には協力することだけをコメントしている。

日本自動車輸入組合(JAIA)の上野金太郎理事長は、7月17日の記者会見で、一部輸入車ブランドで無理な販売計画に基づく新古車が増加していることについて「(インポーターと販売店の)どちらが強者かは言いにくいが、お互いが立てた(販売)目標だというのが個人的な意見。販売店とインポーターの関係はいい時もあれば、悪い時もあるが、固い絆で結ばれている。売れる、売れないはあるかもしれないが、インポーターは良かれと思うやり方でやっており、JAIAがいい、悪いを言う立場にない」と述べていた。