ハンドルがない自律走行バス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」

警察庁は、公道での自動運転の実証実験に関する道路使用許可を見直した。限定地域でドライバーレスの自動運転移動サービスの実用化に向けた取り組みが加速しているため、公道で実証実験を実施しやすいよう環境を整備した。

従来、ドライバーレス自動運転車などの遠隔地から監視する自動運転システムの公道実証実験は「遠隔型自動運転システムの公道実証実験に係る道路使用許可の申請に対する取扱いの基準」に沿って審査してきた。今回、ドライバーレスを想定し、通常の手動によるハンドルやブレーキなどと異なる特別な装置で操作する自動運転車の公道実証実験について新たな基準を設定した。

新しい基準では、実証実験する場所について、実験車両を安全に走行させるために必要な通信環境を確保できる場所とする。最高速度は、交通状況や、道路環境などを考慮して安全に停止できる速度とし、当面は原則時速20キロメートルを超えない速度とする。

交通事故などの場合、警察官が実験車両のエンジンなどを停止できるよう、停止方法や、実験車両が交通の障害とならないようにするための方法を記した資料を警察に提出する必要がある。自動運転システムの不具合などで遠隔操作が困難になった場合、実験車両が安全に停止し、車両を安全に移動させる方法を準備する必要がある。

実験車両は道路運送車両の保安基準に適合する。乗客を乗せて走行する場合、映像で車内の状況を常に把握するとともに、できるだけ急ブレーキにならないなど、乗客の安全に配慮して走行する必要がある。遠隔地と実験車両の通信の応答が一定時間を超えた場合、実験車両は安全に停止する必要がある。

実験では遠隔監視・操作者が法律上の運転者として義務・責任を負う。実験車両で旅客を運送する場合、必要な第二種運転免許が必要となる。

許可期間は原則として最大6カ月。