自動運転システムなどの開発を手がけるベンチャー企業のZMP(谷口恒社長、東京都文京区)は7月23日、高齢者などの移動を支援する「ロボカー ウォーク」を開発したと発表した。空港や商業施設などで、移動が不自由な人向けのモビリティで、目的地まで自動運転するのが特徴。公道を走行できるモデルも開発して、法整備が進んだ場合、2021年に公道で走行できるモデルを販売する方針。

 ロボカー ウォークはカメラ6個、ライダーなどのセンサーや高精度地図、GPSを使って目的地まで自動走行する。同社が開発した宅配ロボット「キャリロ デリ」で培った技術を応用して開発した。前方の進行方向に人がいると自動で停止し、障害物を避けながら自律走行する。

 三井化学がシート内ウレタン素材の選定・試作に協力したほか、走行していることを周囲に喚起するサウンドや、ヒューマンインターフェースを、武者圭さんがアドバイス・提供した。

 同社では、空港でセキュリティゲートから搭乗口までの移動や、大規模ショッピングセンターでの移動など、屋内での活用を想定している。サイズはセニアカー、車椅子のサイズと同等にしており、将来的には公道での走行も視野に入れている。

 商業化、量産化にむけて、ロボカー ウォークの事業パートナーを募集する。屋内での実証実験などを実施するとともに、オリンピック・パラリンピック2020年東京大会での活用を目指す。