これまで、法定相続人や法定相続分について説明してきました。今回は、法定相続人ではあるけれども、相続権を剥奪されてしまう制度について説明します。「相続欠格」と「相続廃除」という制度です。まず、「相続欠格」について。「相続欠格」とは、相続秩序を侵害する非行をした相続人の相続権を剥奪する民事上の制裁です。民法891条は、5つの欠格事由を定めています。①…