戦前から存在する日本のすべての自動車メーカーは、太平洋戦争から大きな影響を受けた。乗用車に係る自動車工学の進歩はこの時期、ほぼ停滞したと言ってもよい状況にあった。本書の著者である原禎一氏(平成26年逝去)は、昭和14年、東京帝国大学機械工学科卒業後、日産自動車に入社、同年召集により山口歩兵連隊に入隊、終戦前年の同19年に召集解除により日産に復職し…