浜松市天竜区(旧天竜市)二俣は、渓谷を刻みながら山間を蛇行する天竜川が、眺望の利く遠州平野に流れ出る最後の地点にある。信濃と遠江を結ぶ街道が通る古くからの交通の要衝であり、戦国時代、武田と徳川が激しい攻防戦を繰り広げた二俣城はこの地にある。本書では本田宗一郎が生まれたこの土地を「天竜川が、最後のエネルギーをはきだすように大きく曲がりくねり、ふたつ…