現代では成立しにくいノンフィクションのジャンルに漂流記がある。航海技術、装備も充実しているだけに、命にかかわるような極限状態が長期化するような事故が減っているためだ◆印象に残る漂流物の中に、わずかな食料と装備で70日以上大西洋を流されながら生還した英国人の記録がある。単独航海のヨットが転覆、その後の膨張式救命ボートが舞台だが、その内容は総意工夫と…