豊田合成は10月16日、持ち分法適用会社の芦森工業に対して行っているTOB(株式公開買い付け)について、買い付け予定数の下限を230万8100株から180万100株に変更すると発表した。「株式の非公開化に支障が生じない範囲内でTOB成立の確実性を高めるため」(同社)の措置。芦森工業の株主の多くはTOBに賛同しており、下限を下げても成立すると判断した。買い付け条件の変更に伴い、公開買い付け期間は法令上10月30日まで延長される。

1株当たり4140円の買い付け価格は維持する。同日15時30分時点の応募数は225万9617株。新たに設定した下限数を上回っているが、買い付け予定数に上限は設けておらず、応募株券はすべて買い付ける当初予定に変更はない。TOBとスクイーズアウト(株式併合)を組み合わせて完全子会社化を目指す二段階買収にも変更はない。

同社は「買い付け予定数の下限であっても、TOB成立後のスクイーズアウトに係る株主総会において、3分の2以上の賛成を確保できる見込みがある」としている。

豊田合成は2021年5月に芦森工業と資本業務提携を締結し、13.89%の芦森工業株を取得した。23年11月には28.37%まで追加取得し、持ち分法適用会社とした。今年8月8日にTOBで完全子会社化すると発表していた。