左から、山上智行チーフエンジニア、川坂英生日本統括部統括部長、井上勝史執行役専務

 ホンダは4日、2ドアクーペの新型ハイブリッド車(HV)「プレリュード」を発表した。国内では5日に発売する。「デートカー」として一世を風靡したプレリュードの名が復活するのは24年ぶり。環境性能や走行性能を両立した「スペシャルティースポーツ」として投入する。ホンダは2027年に国内外で次世代ハイブリッドを投入する計画を掲げており、「前奏曲」(プレリュード)としてホンダの新たなHV戦略をけん引するモデルと位置付ける。

 ホンダは30年のHV販売台数で220万台を目指している。27年に次世代HVを発売し、4年間で13モデルをグローバル投入する計画だ。プレリュードはホンダのハイブリッドブランドをけん引する存在とし、日本のほか、25年末に北米、26年前半に欧州でも展開する。

 井上勝史執行役専務は「(プレリュードのような車は)ホンダに最も期待いただいている価値であり、最も表現したかったHVとしての『FUN』を実現できた。電動化戦略の前奏曲としてホンダの操る喜びを再定義し、四輪戦略上の大きな役割を担うモデルだ」と語った。

 新型車のコンセプトは「アンリミテッド・グライド」。外観は低くシャープなボンネットや滑らかなボディーラインとした。タイヤ外径の割合を全高の約5割とするなど、高い走行性能を感じるデザインにこだわった。

 「シビック・タイプR」のシャシーをベースに、足回りなどを専用セッティングとして乗り心地を改善。ホンダ独自のハイブリッドシステム「e:HEV」を進化させ、環境性能と運転する楽しさを両立した。燃費は23.6キロメートル/リットル(WLTCモード)とした。ハイブリッドシステムの特性を生かしながら、スポーティーな運転も楽しめる新技術「S+(プラス)シフト」を採用するなど、電動化時代にふさわしいモデルに仕上げた。

 内装では、運転席と助手席で異なるシート構造を採用した。運転席はサポート性を高めスポーツ走行に適した形状とし、助手席はほどよく包み込む形状とし、それぞれの機能や快適性を追求した。

 価格は617万9800円(消費税込み)で、月販台数は300台。オンライン販売サイト「ホンダオン」専用の限定モデルも648万100円(同)で用意した。