ブリヂストンの米国HP

ブリヂストンは5月15日、米トランプ政権の関税政策を受け、米国での乗用車用タイヤ生産を2027年までに200万本増やすことを明らかにした。既存設備を活用しつつ地産地消率を維持・向上し、関税影響を打ち消す。

同日開いた25年第1四半期決算説明会で示した。米ノースカロライナ州・ウィルソン工場とサウスカロライナ州・エイケン工場を中心に増産し、年間200万本を上積みする。

「既存設備を使い倒す」(石橋秀一グローバルCEO)ことを基本に、生産性向上などを推し進め、27年の生産体制構築を目指す。エイケン工場には工程平準化などで10億円程度の設備投資も実施する。

同社は調整後営業利益へのトランプ関税の直接影響を450億円、間接影響を200億円と試算。このうち直接影響については、日本など他地域からの輸出分の一部を段階的に米国生産に置き換えることで吸収する方針。メキシコやカナダでも既存設備を生かして増産していくほか、価格改定の検討も進める。一方、プレミアムタイヤの日本からの輸出は継続する。

同社の米国での地産地消比率は、乗用車用タイヤで6割、トラック・バス用タイヤで7割ほど。生産本数は開示していないものの、ゴム重量ベースでは米国とカナダの合計で36万トン(24年実績)を生産している。