出光興産は12日、国内の石油元売りで初めて法人・個人事業者向けにカーボンオフセット付きの燃料油をガソリンスタンド(給油所)で販売すると発表した。企業の事業活動での二酸化炭素(CO2)排出削減ニーズに対応する。

 同社はこれまで、工場や運送事業者など、タンクローリーで配送する燃料にカーボンクレジット付きの商品を設定していた。今回、新たに法人カード向けに、燃料油の使用時に排出されるCO2を、同社が調達するカーボンクレジットでオフセットした燃料を選べるようにした。

 合成燃料やバイオ燃料などカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)燃料の普及には時間がかかる中、当面は事業活動でのCO2排出削減を求める企業などのニーズに対応する。

 経済産業省は、企業の脱炭素化を促すため「クリーン燃料証書制度」の導入を検討している。出光のカーボンクレジット付燃料油も制度開始後、対象となる見通しだ。