いすゞ自動車は、リース期間が満了した車両のエンジンや変速機をリビルト(再生)し、新車同等の信頼性と耐久性を担保した「リマニユニット車」で中型トラック「フォワード」の取り扱いを開始したと発表した。点検整備を含めたメンテナンスリースで販売する。同社は2022年に、大型トラック「ギガ」でリマニ車を発売しており、商品構成が広がったことになる。メーカーがリビルト部品を使って車両を再販する取り組みは珍しい。いすゞは小型トラック「エルフ」やバスなどでの導入も探っており、資源の有効活用による環境負荷の軽減につなげていく考えだ。
リマニ車の駆動系部品は、リースアップ車両から取り外したエンジンや変速機を分解して洗浄した上で、消耗した構成部品などを交換する。重い荷物を積載しながら、長距離を走るトラックで負荷がかかりやすい足回り部品も交換するなどして機能を回復する。内装も洗浄するなどしてリフレッシュする。作業はグループ会社のいすゞエンジン製造北海道(永野吉高社長、北海道苫小牧市)が手掛ける。価格は非公表。
一部で廃棄材が発生するものの、構成部品の多くを再利用できることから、新車の製造と比べて大幅な温室効果ガス(GHG)の削減効果が見込める。例えば、5年間で約70万㌔㍍を走行した車両の場合、新車製造時に比べて二酸化炭素(CO2)の排出量を約28㌧削減できるとしている。
いすゞは50年に廃棄物・廃棄車両の100%再資源化を目指している。十分な商品力を残しているリースアップ車両の再利用の幅を広げるリマニ車の普及に力を入れることで、長期目標の達成につなげていく考えだ。