大和自動車交通(大塚一基社長、東京都江東区)は、ソニーグループの複合現実(MR)技術を活用した乗客向けサービス「MR Cruise(MRクルーズ)」を今月、都内で開始した。その第1弾「タイムトリップタクシー」では、車窓から見える景色とコンピューターグラフィック(CG)を重ね合わせて〝江戸時代の下町〟にタイムトリップした感覚を体験できるエンターテインメントに仕上げた。

 新サービスは、ソニーグループが開発したMR装置と大型モニターを搭載する専用車で体験できる。車載カメラで写した周囲の景色に、その場所の特徴を表現した浮世絵や江戸文化のCGを重ね合わせてディスプレーに表示。さらに音声を加えて、江戸情緒を楽しんでもらう。

 東京の浅草・谷中・上野の3エリアを結ぶコースを走行する。乗車時間は約40分。走行エリアは、来年放映予定のNHK大河ドラマの主人公、蔦屋重三郎ゆかりの地。同地区の観光などを盛り上げることも、新サービスのねらいという。