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 TPRは、みずほ銀行とともに車載用のクロスリアリティー(XR)の技術開発を手がけるDUAL MOVE(デュアルムーブ、佐藤塁社長、東京都千代田区)に出資すると発表した。出資規模は数億円としており、モビリティの進化に伴って成長が期待できる車載インフォテインメント領域で新たな価値の想像に取り組む。

 XRは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)など、現実世界と仮想世界を融合して新しい体験をつくり出す技術の総称。デュアルムーブは、日本総合研究所の車内空間検討コンソーシアムで研究していた、車載用XR技術の基盤システムとコンテンツの開発に取り組む。現実の風景に3DCGを重ね合わせる技術を実現し、目的地に関する映像をフロントガラスに合成するなど移動体験を価値あるものへと変える。

 TPRは、内燃機関部品をはじめとする既存事業に加え、新規事業を拡大させる「両輪経営」に取り組む。XRが電気自動車(EV)や自動運転技術と親和性が高く、今後の成長が期待できることから出資する。同社では「両輪経営のモデルケースとして成長させ、企業価値の向上に取り組む」としている。

 みずほ銀行は昨年4月、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)実現に寄与する「トランジション領域」について、自己勘定による株式出資枠を設定しており、これを活用する。