オートバックスセブンは、展示台数が100台に上る中古車専売の大型拠点を月内に新設する。この規模の専売拠点の運営は、同社初になる。中古車の小売りや買い取りは、カー用品店「オートバックス」の併設店がメインだが、今後、中古車に特化した形態の店舗も増やし、新たな顧客の獲得につなげる。また、同社は中古車取扱店「オートバックスカーズ」へのフランチャイズチェーン(FC)加盟を、カー用品店の運営会社以外にも広げる方針。専売店の展開と合わせ、これら新業態の中古車店を2030年までに100カ所に拡大する計画だ。
新たな中古車の専売拠点は、千葉県柏市で近く開店する予定。オートバックスカーズとして出店し、カー用品店は置かない。中古車の小売りや買い取りなど店舗の専門性を高めることで、中古車の売買を検討している顧客を取り込む考え。オートバックスカーズは全国で393店舗(24年9月時点)あるが、このうち391店がカー用品店との併設店となっている。専門店と出張買い取り店が1カ所ずつあるが、いずれも新拠点の規模には及ばないとみられる。
既存のオートバックスカーズ店に比べて展示車も100台程度に増やす。カー用品店との併設型では展示スペースにも限りがあったが、こうした制約がなくなるため、軽自動車やSUVといったカテゴリー別に品ぞろえを充実するなど、中古車を求める顧客のニーズに、より応えやすくする。また、車検や点検の入庫にも対応するほか、カー用品の取り付けにも応じる。アフターサービスの機能も強化することで、中長期的に顧客を囲い込む。
同社は26年度を最終とする現中期経営計画において、顧客との「タッチポイントの創出」を戦略骨子の一つに掲げている。今回の中古車事業の強化策もその一環だ。
専売店舗網の拡大と、オートバックスカーズのFC加盟先も広げることで、強固な経営基盤づくりにつなげていく考えだ。