日本自動車連盟(JAF、坂口正芳会長)と警察庁による2024年の「チャイルドシート使用状況全国調査」によると、道路交通法でチャイルドシートの使用が義務づけられている6歳未満の子どもの使用率は約8割で過去最高だった。一方、年齢別でみると特に5歳の使用率が約6割に下がることもわかった。
この調査は、02年からJAFと警察庁が合同で毎年行っているもの。今年は5月11~26日(6月に一部再調査を実施)に全国99カ所で実施した。
結果によると、6歳未満のチャイルドシートの使用率は前年比2.2㌽増の78.2%で過去最高だった。20、21年はコロナ禍の影響で調査を中止したため、前年実績を上回ったのは2年連続だ。
年齢層別でみると「1歳未満」が91.7%と最も高く、「1~4歳未満」が80.7%と続く。これらと比べて5歳は57.9%と大幅に使用率が下がる。また、5歳のチャイルドシート使用・不使用状況の内訳をみると「車両シートにそのまま着座」が20.3%、「大人用シートベルト着用」が16.5%、「チャイルドシートにそのまま着座」が4.7%をそれぞれ占めた。
体格が大きくなるとチャイルドシートを窮屈がる子どもも多い。5歳の使用率が低い理由とも推測されるが、チャイルドシートを使わないと道交法違反で運転者に罰則(交通違反点数1点)が適用される。
6歳未満はもちろん、6歳以上でも体格によってはシートベルトが首や腹部にかかり、衝突時に身体を圧迫するリスクがある。JAFはチャイルドシート(ジュニアシート)の使用推奨目安を「身長150㌢㍍未満」とする。
このほか、全国16カ所で実施した「チャイルドシート取り付け状況調査」では、乳幼児・幼児用チャイルドシートが自動車に正しく取り付けられていたのは全体の69.8%にとどまった。同時に実施した「チャイルドシート着座状況調査」では44.3%の子どもが正しく着座できていない課題も明らかになった。