電子情報技術産業協会(JEITA)は、3日に開いた総会で小島啓二会長(67、日立製作所社長兼CEO)の後任に津賀一宏氏(67、パナソニックホールディングス会長)を選出した。任期は1年。津賀新会長は今年で25周年を迎えるCEATEC(シーテック)と、ジャパンモビリティショー(JMS)の併催に期待を示しつつ、人工知能(AI)の活用やデジタル産業の競争力強化についての考えを示した。

 同日、都内で津賀新会長らが会見を開いた。津賀新会長は冒頭に「小島前会長はソサエティー5.0の実現に向けて事業活動や課題解決、人材育成に大変尽力いただいた」と感謝を述べた。その上で「当会は前身の団体設立から昨年で75周年を迎えた。今年は主催するシーテックが25周年、『インタービー』が60周年となる節目の年。歴史の重みを感じつつ、会長としての責務を果たしていく」と抱負を語った。

 シーテック2024は、JMS2024と併催が予定されている。津賀新会長は「今回、日本自動車工業会から一緒にやろうと声をかけられた。大変ありがたく思っている。シーテックは技術を見せる場に変化しているが、技術は専門的で細かな話となる。JMSと同じ場であれば、来場者がイメージをリンクさせることができる」と併催による効果を話した。

 津賀新会長は人工知能(AI)の活用についても言及し「従来のやり方をAIに置き換えるのでは企業や人類の進化にはプラスにならない。AIをどのように使ってわれわれはトランスフォーメーションするのか。そういう視点が重要だ。それから、誤った使い方を防ぐためにもAIに人が適正に絡まなければならない」と指摘した。