自動車を集めた展示会は100年以上前から欧州で開かれてきました。今では国際自動車工業連合会(OICA)が認定するショーだけも世界で10以上あり、フランクフルト、デトロイト、ジュネーブ、パリ、東京のショーは「世界5大モーターショー」と言われています。ただ、先進国のショーは来場者数が頭打ちで、中国やインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)などのショーが活況です。

 もっとも、カスタマイズカー(合法改造車)が集まる「東京オートサロン」は、今も根強い人気を誇っています。また、会場で気に入った新車を注文できる「トレードショー」もあります。例えば、タイではバンコクモーターショーで新車を買うことがステータスになっているそうです。

 また、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)が進展するに連れて、米CESなどのエレクトロニクスショーやITのショーに出展する自動車メーカーや部品メーカーも増え、ショーの〝境界〟がやや曖昧になっていることも近年の特徴と言えます。

 「東京モーターショー」は、日刊自動車新聞社が日比谷公園で開いた「自動車展覧会」が始まりで、1954年に自動車工業振興会(当時)の主催となり、名称が「全日本自動車ショウ」、そして東京モーターショーになりました。かつては約200万人を集めましたが、近年は減少傾向でした。そこで、2023年には「ジャパンモビリティショー(JMS)」とし、モビリティを通じた社会課題の解決や移動の楽しさ、未来社会を発信する場に衣替えしました。この結果、110万人以上が来場しました。

 東京モーターショーは2年に一度開かれていましたが、JMSから毎年開催に変わりました。ただ、24年はデジタル技術の総合展示会「CEATEC(シーテック)」と併催する形で、主に企業向けに開かれます。ブース展示のほか、ビジネスマッチングなどの企画を予定しています。