トラック架装などを手掛けるヒサマツホールディングス(久松孝治社長、大阪市阿倍野区)は、トラックの貨物部分をシャシーから簡単に切り離せる「セパレートボデー」のラインアップを拡充する。2024年5月初旬にセパレートボデーの冷凍バンを発売し、冷凍食品分野などへの拡販を図る。同社は新製品の提案を通じて、ドライバーの労働時間の上限が設けられた物流業界の「2024年問題」の解決につなげる。

 新製品は、同社グループの栄進ボディ工業(隅谷奉功社長、三重県津市)と特種ボディーの製作・修理を行うヤシカ車体(星浩由社長、茨城県石岡市)が共同開発した。23年9月に製品設計を開始し、4月中旬に開発を終えた。同製品は16パレット搭載のセパレートボデーの冷凍バンで、約10.5㌧の積載を可能としている。

 特徴は同社が独自に開発したセパレートボデーを採用した点で、総輪エアサスの場合は新車や既存車両に関わらず、昇降装置を使わずにシャシーから貨物部分を脱着できる。コンテナ車などに用いるツイストロックでボディーとシャシーを接続する。

 リアエアサスでは油圧ジャッキを用いた専用の昇降装置でボディーを持ち上げ、シャシー部を自走で抜き取る。ボディーには支柱(アウトリガー)を取り付けることで自走が可能だ。シャシー車両はコンテナ車として登録する。 

 今回の新製品の発売により、セパレートボデーとしてウイングボディー、平型ボディーに冷凍バンがラインアップに加わった。同社では、長距離便を結ぶ中継地点でセパレートボデーの冷凍バンを導入してもらい、物流事業者同士や拠点間で冷凍食品などを積んだボディーを受け渡して各エリアで輸送を担うことで、日帰り運行やドライバーの労働時間の短縮など負担軽減が可能になると見ている。

 同製品は今年5月9~11日にパシフィコ横浜(横浜市)で開催される「ジャパントラックショー2024」で初めて展示し、物流事業者らへの訴求を図る。