ソフト99コーポレーションは、展示会で製品の効果を実演形式でアピール
夏の暑さで車体はダメージを受けている
リンレイは、はっ水コーティング剤と合わせて機能を訴求する
BTOの「ハイドロフォームシャンプー」

 秋に入り、過ごしやすい日々が続いている。こうした陽気になって、マイカーを自分で洗車するユーザーが目立っている。今夏は記録的な猛暑だったため、屋外で時間がかかる洗車を見送る人も少なくなかったためだ。オートバックスセブンによると、気温が下がり始めた9月下旬から洗車用品などのカーケア関連で「売り上げが戻りつつある」(広報)という。久しぶりに洗車用品を求めて、カー用品店に足を運ぶユーザーが増えているようだ。このチャンスに、メーカー各社は高い洗浄力など機能性の高い新製品を投入。小売店も積極的にアピールし、販売拡大に力を入れている。

 洗車用品を購入している顧客で根強い人気があるのは、短い作業時間で済む製品だ。ソフト99コーポレーションの新製品「レインドロップトルネードヴォルテックス」も、こうしたニーズに応える施工の効率性を高める工夫を施したはっ水コーティング剤となっている。従来品に比べ、薬剤の吐出部の形状を見直し、円状に噴射する仕様に変更した。これにより、一度に広範囲を塗布できるようになり、ユーザーの作業負担を軽減するという。

 また、作業効率が高まることで、ムラの発生を抑えられる副次効果もあるという。作業に時間がかかれば、吹きかけた薬剤が乾くなどして仕上がりに影響が出る。作業をやり直さざるを得ないケースもある。新製品はこうした課題のクリアも目指している。

 カーケア用品を手掛けるBTO(藤原正典代表、大阪市淀川区)も独自ブランド「BPRO」で、乾いてもシミになりにくい洗剤「ハイドロフォームシャンプー」を販売している。日中に屋外で洗車する場合、時間の経過に合わせて洗剤が乾燥し、汚れになる場合がある。車体が大きい場合や洗車に慣れていない初心者でも使いやすい製品としてアピールしている。

 暑い日が続いて洗車ができない期間が長くなったユーザーは、洗浄力の高さも製品選びのポイントになっている。リンレイ(鈴木信也社長、東京都中央区)が発売した「ウルトラハード2ウェイシャンプー」は、車体に残る黒ずみや水あかといった落ちにくい汚れを落とせる性能を持っている。さらに、この洗浄力は薬剤を約80倍に希釈しても維持するという。ひどい汚れにはこの割合を変えることで対応できる。汚れの種類や度合いによって洗剤を変える必要がなく、費用対効果の高い製品として支持を集めている。

 洗車は車体を細かくチェックできる機会にもなっている。ただ、厳しい暑さとなった今夏は、洗車を通じて愛車の状態を確認できなかったユーザーも少なくないと考えられる。そのため、気付かない間に、ダメージが蓄積しているケースも想定される。季節はもう間もなく冬となっていく。寒くなれば、屋外での洗車がおっくうになるユーザーも少なくないだろう。厳しい冬の間に、無用なトラブルが起きないよう、今のうちに洗車しながら愛車を点検しておくことも重要だ。

(後藤 弘毅)