フォルクスワーゲン(VW)グループの2023年1~6月期の電気自動車(EV)全世界販売台数は、前年同期に対し5割近く増加した。23年初めにはドイツ政府のEV購入補助金制度の見直しや長納期化、インフレの進行で客足が鈍ったが、VW乗用車の改良型「ID.3」の投入や、VW商用バンの販売本格化などで巻き返し、順調に台数を伸ばした。新車販売に占めるEV構成比は同1.8ポイント増の7.4%に上昇した。

 地域別では、欧州が7割弱の伸びでEV新車のトップシェアを確保した。期末の西ヨーロッパのEV受注残は約20万台だった。中国では1~3月期に2割強落ち込んだが、これを4~6月期に挽回し、1~6月期のマイナスを同1.6%減にとどめた。米国は7割強拡大した。販売構成比は欧州が67.5%、中国が19.4%、米国が9.3%だった。

 ブランド別構成比は、VW乗用車が51.2%で過半数を占め、アウディが23.5%となり2番目、シュコダが9.7%で3番目となった。主な車種別台数はVW「ID.4/ID.5」が10万1200台、同「ID.3」が4万9800台、アウディ「Q4e―トロン」が4万8千台、シュコダ「エニャックiv」が3万1300台、アウディ「Q8e―トロン」が1万9500台だった。

 VWグループ拡販執行員会のヒルデガルト・ヴォートマン氏は「5月以降、受注が改善傾向に入った。納期の大幅な短縮もあるので、この好調なトレンドが今後数カ月間続くことを期待する」とした。