ダイハツ工業は26日、「ロッキー」とトヨタ「ライズ」のハイブリッド車(HV)の側面衝突試験の認証手続きに不正があった問題で、社内試験の結果、法規に定められた基準を満たしていることを確認したと発表した。

 滋賀テクニカルセンターで24日に社内試験を行った。試験結果は公表していないものの、各項目で法定基準値を満たす結果になったという。

 不正があった「ポール側面衝突試験」は、電柱などを模したポールに時速32キロメートルで車両側面を衝突させ、乗員への衝撃やドアパネルの損傷、燃料漏れの程度を確かめるものだ。本来は、車体両側の社内試験データを提出する必要があるが、ダイハツは運転席側の試験を行わず、助手席側のデータを提出していた。

 この問題に関連し、国土交通省自動車局の堀内丈太郎局長は「極めて遺憾だ。型式指定制度は自動車メーカーがしっかりと検査などを実施しているとの信頼の上に成り立っている。それが崩れることになると、国の型式指定制度に対する信頼も揺るがすことになる」と25日までに語った。

 国交省は、事実関係の詳細な調査と再発防止策を速やかに報告するよう19日にダイハツへ指示している。審査機関と国交省職員による立ち合い試験では、試験車両の準備段階から国交省が確認するという異例の対応で、実施時期などを含めて同社と調整を進めている。

 国交省は、再試験結果の検証に加え、他の衝突関連試験項目や他車種についても同様の不正がないか調査と報告をダイハツに求める。24日に同社への立入検査も実施した。堀内局長は「全体の調査結果や報告などを踏まえた上で、しかるべき処分を行うことになる」とも語った。