コーポレートPPAの仕組み

 マツダ、東洋シート(小濱和也社長、広島県海田町)、長州産業と中国電力は27日、太陽光発電によるオフサイト方式の「コーポレートPPA」に関する契約を結んだと発表した。太陽光発電設備を手がける長州産業が同社やマツダの未活用地に太陽光パネルを設置し、発電した電力を中国電力に売電する。一方で中国電力はマツダと東洋シートに再生可能エネルギーを供給する。契約期間は2049年末まで。地域で再エネを利活用し、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現につなげる。

 コーポレートPPAは、企業が小売り電気事業者や発電事業者と長期契約を結び、再エネを固定価格で購入できる仕組み。このうちオフサイト方式は、電力の消費場所から離れたところに発電設備を設ける方式のことを指す。複数の需要家によるオフサイトコーポレートPPAの運用を始めるのは中国地域で初めて。

 今回の契約では、マツダの田口倉庫(広島県東広島市)と長州産業が持つ中国地域内の未活用地43カ所に合計出力4900キロワットの太陽光パネルを設置する。長州産業が中国電力に売電し、マツダと東洋シートが再エネ由来の電力供給を受ける。マツダ、東洋シートの国内工場で使用する電力のうち、それぞれ1.1%と5.9%を再エネでまかなえるという。太陽光パネルの設置費用や電力の取引価格は公表していない。

 4月から段階的に設備を稼働させるとともに、今年中に全パネルの設置を終える計画だ。マツダは、今後もコーポレートPPAの取り組みを広げる方針だ。