新車販売の増加はバリューチェーンの拡大にもつながる

 2023年は新車販売台数の回復が期待されている。生産ペースが通常の状態に戻った自動車メーカーではディーラーへ配車する台数が増え、車種によっては納期が1~2カ月短縮し、ユーザーには当初予定より前倒しで納車されるケースも出始めている。新車販売増はバリューチェーンの拡大につながり、これまで厳しい環境にあったディーラーの事業基盤の安定化が期待される。

 新車の販売台数増加を受け、中古車市場では下取り車増による中古車不足が解消に向かいそうだ。これまで価格が高止まりしていた中古車価格は22年末から下落方向に進んでおり、相場は平常に向かうものとみられる。一方、毎年1~3月は中古車需要の増加を受けて相場が上昇する時期であることや、ロシアを中心に堅調に推移する中古車輸出との関連から、中古車相場が平常化するのは春以降になるとみられる。