生産の挽回に全力で取り組む

 日本の自動車メーカーは、2023年も半導体不足や部品調達難による生産調整の影響を受けることになりそうだ。乗用車メーカー8社の22年の世界生産台数は、2年連続で前年超えが確実視されている。ただ、コロナ禍前の水準には回復していないことから、各社は今年も生産の挽回に向けて全力で取り組んでいく。

 半導体不足は一時に比べると改善傾向にはあるものの、電動車を中心に一部車種では受注停止せざるを得ない状況が続いている。メーカー各社は、こうした供給体制の正常化に向けて対応に追われており、「納期の見える化」といった長納期対策への取り組みも進んでいる。

 一方で、ロシア・ウクライナ情勢をはじめとする地政学リスクからも、目を背けることができない状況だ。22年はロシア事業から撤退するメーカーが相次いだ。ロシア事業の規模からも影響は限定的ではあったとされているが、生産体制のあり方については改めて問われた。世界情勢の不安定さは依然として懸念され、各メーカーは新たなリスクへの対策に備えることも求められている。