豊田通商と岩谷産業、日揮ホールディングスの3社は12日、廃プラスチック(廃プラ)のガス化設備を活用した低炭素水素製造で、愛知県の名古屋港近郊での協業を検討する基本合意書を締結したと発表した。2020年代中頃の水素製造を目指す。年間8万トンの廃プラから1万1千トンの水素を製造する計画だ。

 3社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託事業として、水素製造や利活用の調査を実施してきた。中部圏では、廃プラを回収して水素を製造する潜在能力があることが分かったため、協業の検討を始めた。事業が軌道に乗れば、天然ガスからの水素製造と比べて温室効果ガス排出量を85%削減でき、発電所や各種モビリティ、港湾設備などでの水素の利用促進や工場の脱炭素化につながる。