福岡県久留米市を流れる大河「筑後川」(後方にブリヂストン久留米工場、久留米城の森)。正二郎、青木、坂本、梅野は、この風景を見ていた(M2)

連載の「第五幕」で述べたが、石橋コレクションの生い立ちと美術館の建設は、正二郎が高等小学校時代に図画を習った坂本繁二郎から、同郷で夭折画家の青木繁作品の収集を頼まれたことから始まる。この時の言葉に心を動かされた。ただ、青木繁の人柄、作品に謎は多く、そこに石橋正二郎の接点を考えると、疑問にも遭遇する。一気に資金力で収集と美術館建設を推し進めたという…