キーパー技研は2025年をめどに、ボディーコーティングと洗車専門の直営店「キーパーラボ」の店舗数を現在の約6割増となる150店舗に拡大する。コロナ禍のほか、新車供給の遅れなどを背景に、マイカーをきれいな状態を維持して長く乗りたいと考えるユーザーが増えている。同社では短期間で実績を出しやすい直営店舗を増やすことで、こうした需要を取り込む。キーパーブランドの認知向上やイメージアップにつなげるとともに、コーティング市場の拡大に取り組む方針だ。
同社は22年6月期まで、4期連続の増収増益を実現するなど好調な業績を維持している。これを支えているのが直営店事業で、2年前と比べて製品卸売事業以上に顕著な伸びを示している。前期(21年7月~22年6月)も9店舗を新規オープンしたが、立ち上げ当初から高い実績をあげる店舗が目立つという。こうした環境を追い風に、「需要拡大の機会を逃さずにブランドと市場を成長させる」(賀来聡介社長兼COO)ため、直営店の増設を急ぐ。
直営店舗網の拡大を見据え、今年中に200人の採用も予定する。すでに9月までに約50人を雇用しており、今後、自動車業界の未経験者を含めて18~25歳の若い社員を迎えていく計画。直営店を支える人的基盤の強化に力を入れることで、同社の成長スピードを加速させる。
同社は3年後に売上高を約1・7倍の251億円まで増やす中期経営計画を打ち出している。直営店の強化策は、この原動力の一つに位置付けている。直営店事業の勢いを、製品卸売事業にも波及させ、ガソリンスタンド(給油所)や新車ディーラー、整備事業者などでの同社製品の取り扱い拡大も後押ししていく狙いだ。