「この鉄道は軍隊輸送の本道だ。この本道ぞいに、墓標を林立させておくなどということは…」―。日露戦争で、満州軍総参謀長の児玉源太郎が旅順要塞攻撃を担当する第三軍司令部に向かう汽車の窓外を眺め、随行にぼやく◆墓標の林立は、小説「坂の上の雲」(司馬遼太郎著)に登場する。これを見て兵士は前線に向かうのだから、戦意に影響がないわけがない。ただ、それには理由…