宅配需要の拡大などから貨物軽自動運送事業で使用できる車種規制を緩和

 国土交通省は、貨物軽自動車運送事業で使用できる車両に軽乗用車を追加する方針を固めた。現行の貨物自動車運送事業法では軽商用車に限定しているが、電子商取引(EC)市場の伸長に伴って宅配需要が急増していることなどから、車両の選択肢を広げて運送事業者のコスト低減や新規参入の促進につなげたい考えだ。10月にも同法に則った通達を改正して施行する予定としている。

 政府が6月7日に閣議決定した規制改革実施計画に基づき、貨物軽自動車運送事業で使用できる車両が軽商用車に限られている運用について、軽乗用車の使用を可能とする検討が行われていた。結論が得られ次第、「速やかに必要な措置を講ずる」とされていた。

 これまで貨物軽自動車運送事業の経営の届出受理に当たっては、「軽貨物事業経営届出等取扱通達」に基づき、最大積載量の記載のある車両に限って認めていた。国交省では、同計画を踏まえて、軽乗用車も貨物軽自動車運送事業での使用ができることとし、届け出受理の取り扱いを規定する。

 軽乗用車に積載できる貨物の重量については、乗車定員から乗車人数を引いた数に55㌔㌘を乗じた重量以内とする。例えば、乗車定員が4人で運転者のみの場合は165㌔㌘の貨物を積載できる。

 9月8日までパブリックコメント(意見募集)を受け付けている。

 経済産業省が今月12日に発表した国内EC市場の調査結果によると、2021年の消費者向けEC市場規模は前年比7・4%増の約20兆7千億円だった。近年は個人間EC市場も急速に拡大しており、市場規模の推計は同12・9%増の2兆2121億円という。EC市場の伸長に伴う宅配需要の拡大を背景に、宅配事業者や運送事業者などからは使用できる車種規制の緩和を求める要望が挙がっていた。車両価格が安価な軽乗用車も使用することができれば、事業者は車両のコストを抑えることができ、経営の安定化などにもつながる。