ボッシュ製のSiCウエハ。EVの航続距離の延長や充電時間の短縮を実現する

 ロバート・ボッシュは、半導体の生産能力を増強するため、2026年までに30億 ユーロ (約4140億円)を投じるなど、半導体事業を強化すると発表した。半導体ウエハを製造するドレスデン工場にクリーンルームを増設して生産能力を引き上げる。ドレスデン工場とロイトリンゲン工場には、それぞれ半導体の研究開発センターを新設。低コストのSiC(炭化ケイ素)パワー半導体や次世代半導体材料として窒化ガリウムの研究開発を推進する。同社は需要が拡大する車載向け半導体事業への投資を増やしており、世界中の自動車メーカーの半導体のニーズに対応していく。

 同社のシュテファン・ハルトゥング取締役会長が13日に明らかにした。クリーンルームを増設するドレスデン工場は昨年6月、同社単一の投資としては過去最大となる10億 ユーロ (約1380億円)を投じて稼働した300㍉㍍ウエハ生産拠点。今回新たに2億5千万 ユーロ (約345億円)を投じてクリーンルームを約3千平方㍍拡張、生産能力を増強する。24~25年に稼働する予定。

 また、ドレスデン工場とロイトリンゲン工場には合計1億7千万 ユーロ (約235億円)を投じてそれぞれ研究開発センターを新設する。電気自動車やハイブリッド車などの電動車向けで需要拡大が見込まれているSiCパワー半導体の生産効率化やコストダウンを図る。半導体の新しい材料として窒化ガリウムをベースとする半導体の開発にも注力する。電動車両向けに耐久性を確保し、最大1200㌾の高電圧に耐えられるパワー半導体の開発を目指す。

 同社では、世界的な車載向け半導体不足に対応するため、昨年10月にドレスデン工場とロイトリンゲン工場、マレーシアのペナン工場に22年だけで4億 ユーロ (約552億円)以上の投資を決定した。中でもロイトリンゲン工場は25年までに4億 ユーロ を投じてクリーンルームを現在の3万5千平方㍍から25年末までに4万4千平方㍍以上に拡張して半導体生産能力を増強する予定で、自動車メーカーからの旺盛な需要に対応していく。

 ハルトゥング会長は「マイクロエレクトロニクスは未来そのもので、ボッシュのあらゆる事業分野での成功に不可欠」と述べ、半導体事業の開発・生産体制を強化していく方針を示した。