地区最大規模のネットワークで日産車のシェア拡大を目指す

 日産自動車は27日、連結子会社の福岡日産(内野伸一社長)と日産プリンス福岡(寺田繁人社長)を2023年4月1日付で統合し、「日産福岡販売」を設立すると発表した。従業員数は約1700人、店舗数は新車・中古車を合わせて90拠点の九州地区で最大規模のディーラーが誕生する。両社のノウハウを結集し、デジタルを活用した質の高い商品とサービスの提案や日産ブランドを体感できる新店舗形態の導入などを促進することで、福岡県内の日産車全体の新車販売シェアで15%を目指す。

 新会社は日産ネットワークホールディングスが100%出資する。本店は日産プリンス福岡の本社所在地の福岡市中央区平尾3―6―3に置く。社長をはじめ経営体制は今後詰める。統合時点で人員や店舗は減らさず、維持・拡大を目指す。

 九州最大規模のディーラーというスケールメリットを生かし、店舗ネットワークの強化により利便性を向上するほか、デジタルを活用した質の高い商品やサービスの提案など新たな取り組みにも挑戦する。統合に先立ち、22年度内に日産ブランドを身近に体験できる新店舗形態を既存店舗の1カ所に導入する方針だ。

 21年度の新車販売台数は福岡日産が約7千台で、日産プリンス福岡が約9千台。売上高は福岡日産が約258億円で、日産プリンス福岡が約334億円だった。保有台数は福岡日産が約17万台で、日産プリンス福岡が約19万台。

 福岡県の日産ディーラーは現在、両社と地場資本の北九州日産モーター(菊竹史郎社長)の3社体制。県内の日産陣営の新車シェアは現在約12%だが、統合後は15%を目指す。

 今後は両社の実務メンバーが参加し、統合に向けた準備や作業を進める。

 日産は今回の連結販社統合の時期について、「事業構造改革の『ニッサンネクスト』を推進する中で、商品ラインアップが拡充するタイミングを踏まえて適切と判断した」としている。