デジタルツインで仮想化した「お台場モデル」を開発する

 内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期自動運転プロジェクトは、自動運転車に搭載するセンサー類などのシミュレーションが可能となるモデルの事業化を目指す。東京臨海副都心地域をデジタルツインで仮想化した「お台場モデル」を開発。自動車メーカーや部品メーカー、研究機関など約50社が参画して、仮想空間で自動運転システムを評価する実証実験を実施し、2022年4月にも実用化する。将来的には自動運転システム全体の安全性評価にも利用できるプラットフォームとして活用していくことも視野に入れる。

 お台場モデルは、SIPの自動運転システム実証実験を実施している東京臨海副都心地域をデジタルツインで構築したもの。仮想空間上でさまざまな交通環境や気候条件などを再現可能で、カメラやレーダー、ライダー(レーザースキャナー)など、自動運転車に搭載するセンサー類をシミュレーションで検証できる。

 センサーのシミュレーションで、実際のレーダー波の反射特性を再現するのは難しい。このため、自動車メーカーや部品サプライヤーは、リアルな交通環境でセンサーの性能を測定するための試験を、公道も利用しながら手作業で行っているのが現状だ。

 お台場モデルを活用することで、仮想空間でさまざまな条件に合わせて、センサーの性能を検証できる。自動運転のデバイスの性能検証作業が飛躍的に向上できる見通し。

 11月からは仮想空間とリアルの環境との一致性を検証する。自動車メーカーをはじめセンサーメーカーや大学などの研究機関も参加し、デジタルツイン環境でのシミュレーションモデルの有効性などを確認する。国内外で利用できる自動運転の安全性評価の標準プラットフォーム化も視野に入れており、専門家とも議論を進める。

 SIP自動運転担当の葛巻清吾プログラムディレクターは、シミュレーションモデルの実現について「自動車メーカーだけでもセンサーメーカーだけでも難しい」としている。国内外の自動車メーカーやサプライヤーが利用できる自動運転システムのシミュレーションモデルを構築して事業化し、各社の開発を支援する方針だ。