トヨタ自動車は14日、「カローラクロス」を発売した。カローラ初のSUVで、広い車内空間と手頃な価格を両立させた。SUV人気を追い風に月販4400台を見込み、カローラシリーズの主力車種に育てる。

 すでに昨夏からタイと台湾、ブラジルで順次生産を始め、これら3カ国・地域に中近東やアフリカ、中南米を加えて販売している。日本では高岡工場(愛知県豊田市)で生産する。

 トヨタ・ニューグローバル・アーキテクチャー(TNGA)のGA―Cプラットフオームを採用。日本向けでは車体前後の意匠を変えたほか、ハイブリッドの電気式4WDシステム(E―Four)や大型パノラマルーフ(一部グレードにオプション設定)を加えた。SUVの特徴を生かし、後席の居住性や競合車をしのぐ荷室(容量187リットル)を確保したほか、ガソリン車は199万9千円から、ハイブリッド車(HV)は259万円から(ともに消費税込み)と手頃な価格に抑えたことが特徴だ。燃費(ZグレードのHV、前輪駆動、WLTCモード値)は26・2キロメートル/リットルを達成した。最新のトヨタ・セーフティセンス(TSS)を標準装備し、HVにはアクセサリーコンセント(AC100ボルト/1500ワット)と非常時給電モードをオプションで用意した。

 カローラブランドは1966年の発売以降、世界150カ国・地域で累計5千万台を販売したロングセラーモデルだ。開発を指揮したトヨタコンパクトカーカンパニーの上田泰史チーフエンジニアは「カローラはセダンから始まり、その時代のお客さまの期待に応じて進化してきたブランドだ。今、求められているものを考えた結果、カローラというブランドでSUVを出していこうとなった」と語った。主に30~40歳代のファミリー層を狙い、「ヤリスクロス」や「RAV4」とのすみ分けを図る。