8月の車名別新車販売は、トヨタ自動車「ヤリス」が2カ月連続でトップだった。ホンダの軽スーパーハイトワゴン「N―BOX(エヌボックス)」は6カ月ぶりの前年割れとなり、2位。7月に全面改良したトヨタ「アクア」が1万台に迫る台数にまで伸ばし、4位に上昇した。半導体不足による生産調整の影響は軽自動車が大きく、スズキ「スペーシア」やダイハツ工業「タント」など上位車種も2桁減だった。

 登録車と軽を合わせた総合ランキングでヤリスがトップになるのは11回目。1万8476台のうち、半数を超える1万303台がSUVの「ヤリスクロス」だった。このほか、アクアは3年1カ月ぶりにトップ5入りした。8月に派生車「ノートオーラ」を発売した日産自動車「ノート」が8位となり、3カ月ぶりにトップ10圏内に戻った。

 登録車のランキングでヤリスが1位になるのは14カ月連続。日本自動車販売協会連合会(自販連、加藤和夫会長)の発表によると、2位はトヨタ「ルーミー」、3位がアクアだった。トヨタ車がトップ3を独占するのは15カ月連続。上位10車種のうちトヨタ以外は4位のノート、8位のホンダ「フリード」、10位の同「ヴェゼル」だった。

 全国軽自動車協会連合会(全軽自協、赤間俊一会長)の発表によると、軽は21カ月連続でエヌボックスがトップとなった。半導体不足による生産調整などでトップ3すべてが前年割れ。4位のスズキ「ハスラー」は2桁増としたものの、上位15車種のうち13車種が前年同月実績を下回った。

 8月も各メーカーで生産調整が行われたほか、9月も引き続き低水準の供給量が続く見通し。特にこれまで半導体不足の影響が他メーカーと比べて少なかったトヨタが8月下旬から大規模な減産に踏み切った。足元では長納期化が悪化しているとの声もあり、販売現場では、いつも以上に人気車の供給動向への関心が高まっている。