三菱ふそうトラック・バスは、国内に4社ある商用車メーカーの一つで、国内トラック販売では3位となっています。商用車世界トップスリーの独ダイムラートラックの子会社で、同グループの中では日本をはじめアジア地域の販売戦略を担っています。
社名の由来は、同社の前身の三菱造船・神戸造船所が完成したバスに「ふそう」と命名したことです。また「三菱」の名の通り、もともとは三菱自動車のトラック・バス部門でしたが、2000年のリコール隠し発覚をきっかけに三菱自から分社、ダイムラーの出資を受けて現在の体制となりました。株式は約9割をダイムラー、残りの1割を三菱グループがそれぞれ保有しています。
本社と基幹工場は神奈川県川崎市にあります。19年には新社屋に本社、開発部門、商品企画を含む製品関連部門を集約。そこで集中して電動車や自動運転技術の開発を行っています。
電動車については他のトラックメーカーに先行して、17年にトラック世界初の量産電気自動車(EV)「eキャンター」を投入しました。このほか、ダイムラーと燃料電池車(FCV)の開発を進めています。グループとしては39年までに新型車のすべてを電動車に切り替える目標を掲げました。電動車の展開については、EVとFCVに開発を集中し、ハイブリッド車には投資しない方針を明確にしています。
自動運転分野でもダイムラーとの連携を強めています。カメラやミリ波レーダーなど自動運転に必要なハードウエアを組み合わせた「グローバルセンサーセット」を開発し、グループ各社の標準システムとして採用することでコスト低減を図っています。三菱ふそうの大型トラック「スーパーグレート」では、国内商用車で初となる「レベル2」の運転支援技術を実用化しましたが、このグローバルセンサーユニットを活用しています。