ロペライオのメディアセンター

コロナ禍で人と人との接触機会を避ける動きが顕著になる中、さまざまな商品でインターネット販売が伸びており、中古車小売りでもオンライン販売の浸透が進んでいる。中古車販売店では動画サイト「YouTube」(ユーチューブ)などを用いて在庫車両の動画を公開するケースが増えており、動画スタジオや施設を新設したり、専門チャンネルを開設して動画の細部にもこだわりを見せる事業者も少なくない。商品の魅力を伝える効果的なツールとして動画を積極的に活用して販売拡大につなげている。アフターコロナの世界でもネット経由の取り引き拡大の流れは続くと見られており、中古車小売りでの動画活用の動きは一段と活発になりそうだ。

スマートフォンの普及とともに、中古車検索の手段としてインターネットは今や不可欠な存在となっている。新車販売のように営業エリアの管轄地域を考慮する必要がない中古車は元々インターネットとの相性が良く、希望車種をネット上の多数の在庫から選び出すことができる。さらに追い打ちをかけたのがコロナで、さまざまなジャンルのアイテムや商材をネットで購入する消費者が増加した。中古車も例外ではなく、実際に車両を確認しないままオンラインで商談が完結する事例も増えている。

オンラインでの商談の場合、重要なポイントとなるのが車両状態の把握だ。写真に加えて動画で車両を紹介すれば、ユーザーの心配材料を減らすことが可能となる。また、小傷や摩耗具合をどこまで気にするかは個人差が大きいため、営業スタッフによる詳細な説明より実際に動画を見せる方が商談もスムーズだという。

関東、東北を中心に多店舗展開する中古車専業大手のトーサイ(柏原哲郎社長、埼玉県三郷市)は、三郷市の拠点内に撮影ブースを開設した。室内にターンテーブルを設置し、車両の回転画像が撮影できるようにした。動画では自社のスタッフやキャンペーンを紹介し「消費者の関心を集める手法としてユーチューブには力を入れている」(馬場由浩常務)と話す。

高級輸入車販売のロペライオ(宮里泰光社長、東京都世田谷区)は埼玉県戸田市に「メディアセンター」を新設した。ここで撮影専門スタッフが映像制作し、本社内の専門スタッフが編集する。1台の車両動画の制作に数時間をかけるほど、動画のクオリティに気を使う。「(動画の)技術進化のスピードは目覚ましく、今後も新たなカメラやソフト導入に積極的に取り組んでいきたい」(早水彰会長)という。

また、中古車販売店による専門チャンネル開設の動きも相次いでいる。動画の内容はさまざまだが、自社の告知や中古車の選び方を紹介するものが多く、比較的安価に自社のアピールが可能となる。さらに動画サイトでは車両の走行状態を配信できるため、中古車展示場では難しい走行時の雰囲気や音なども提供可能だ。豊富なコンテンツを用意してファンを広げれば新規顧客の獲得も期待できる。