三菱自動車は、クロスオーバーSUV「アウトランダー」を9年ぶりにフルモデルチェンジし、北米で発売すると発表した。アウトランダーのグローバル累計販売約260万台。このうち、米国は38万台と中国に次ぐ主力市場となっている。北米では2002年に投入し、今回で4代目となる。岡崎製作所(愛知県岡崎市)で生産し、米国、カナダ、プエルトリコに投入する。
パワートレインには日産が開発した2.5リットルガソリンエンジンを採用した。アライアンスの枠組みで軽乗用車「eK」シリーズはルノー製をベースに開発したが、日産製の採用は三菱自の乗用車として今回が初めて。従来に比べ最高出力は約8.9%、燃費消費率はWLTCモードで約2.6%向上した。8速CVT(無段変速機)と組み合わせ、滑らかな走りを実現する。2WDと4WDを用意し、走行シーンに合わせたドライブモードを選択できる。4WD車では独自の四輪制御技術の「S-AWC」を搭載する。
全長は従来比15mm増の4710mm、全幅は同51mm増の1862mm、高さは同38mm増の1748mmとサイズアップした。プラットフォームは、アライアンス共有の「CMF-C/D」を使う。
さらに、高速道路同一車線運転支援技術「マイ・パイロット」のほか、「三菱コネクト」を搭載し、事故や故障時にボタン一つでコールセンターに救助依頼できる。
外観では次世代ダイナミックシールドやワイドボディーを強調するフェンダーなどを備える。ボディカラーは新設定のブラックダイヤモンドを含む全9色を展開する。
17日のオンライン発表で、加藤隆雄代表執行役CEOは「新たなことに挑戦したいというお客さまの想いに応える頼もしいSUVに仕上げた」と語った。同社は新中期経営計画で、22年度にプラグインハイブリッド車(PHV)の次期「アウトランダーPHEV」の投入も計画している。