リーフの再生バッテリー

 日産自動車と住友商事が共同出資するフォーアールエナジー(牧野英治社長、横浜市西区)と東日本旅客鉄道(JR東日本)は9日、踏切保安装置用バッテリーに電気自動車(EV)の使用済み電池を再生して活用すると発表した。従来の鉛蓄電池に比べ耐用期間が10年と長く、短時間でのフル充電も可能になる。4月以降、常磐線と水戸線の約10カ所の踏切に試験導入する。

 日産のEV「リーフ」の使用済みリチウムイオンバッテリーを再製品化し、踏切の制御を行う同装置に使う。鉛蓄電池は充電時間が約70時間であるのに対し、再生バッテリーは約24時間。耐用年数も長く長期間使用できることからコストダウンにもつながる。使用済み電池の有効活用でバッテリー製造時の温暖化ガス低減や資源の効率使用を実現できる。

 JR東日本では1月14日から常磐線の一部踏切で再生バッテリーを使ったフィールド試験を実施しており、4月以降、10カ所程度の踏切に試行導入の範囲を広げる。電池の劣化具合などを見極めたうえで、無線通信装置や駅設備など踏切以外の電源装置への活用も検討する。